おんがくあれこれあらかると

音楽に関する長いつぶやき

「形而上学的、魔法」ライブver の迫力 ーでんぱ組.inc「幕張メッセジャンボリーコンサート」

ライブverがとんでもないことになっていた。

つい数日前に「形而上学的、魔法」のレビューを書いたばかりだった。

まさか、公式がライブverで、さらには諭吉佳作/menとコラボしたこの曲を上げるとは…

見ない理由が見つからない。

 


でんぱ組.inc「形而上学的、魔法(with 諭吉佳作/men)」Live Movie from「幕張ジャンボリーコンサート」

 

感想を一言で言えば、「なんだこれ、ヤバい」

語彙力なんかあったもんじゃない。自分の感情がぐちゃぐちゃになった。

何がどうなってこうなったのか1つずつ整理していこう。

 

 

異様な光景

まずこのライブから感じ取ったのは異様な雰囲気だ。楽曲自体の違和感は前に話した通りだが、視覚的にも違和感を感じた。

yakkofeemusiclog.hatenablog.com

 

ステージ上に、シュールな二極対比構造が表現されていると思った。

まずは明暗。でんぱ組の衣装はカラフル。対して諭吉佳作/menは白黒、というかほとんど黒の衣装だ。そして動と静。でんぱ組は激しく踊っていて、諭吉佳作/menはほとんど動かない。

 

正反対の2組だが、それぞれがそう在ることによってもう片方が引き立っている状態になっている。互いに引き立たせるほどに、それぞれの色が濃くなっていき、さらに違いがはっきりする…の繰り返し。

 

この対比構造を私は異様な光景として認識したのだと思う。

 

また、でんぱ組が自分たちのライブにも関わらず、要所要所で自分たちが全く歌わないという選択をしているのも不思議に感じた。

 

 

でんぱ組.inc 6人のレベルが格段に上がっていた。

全体的に安定感があり、オートチューンにも関わらず、ピッチもほとんどずれていない。過去の歌唱シーンと比べてもレベルの違いは歴然としていた。

 

もちろんそれぞれの変化も見逃せない。

 

 

根本凪: サビの高音域を丁寧に歌っている印象。

声量を意識しているような歌い方から変わって、歌い出しが聴いていて心地よかった。

 

成瀬瑛美: 圧倒的歌唱力を見せつけられた。歌唱面でのでんぱ組の軸。

衣装と相まって歌姫感が強い。泣きそうになった。(←?)

 

鹿目凛: 歌詞の苦しさや叫びの部分が伝わってくる歌い方が素晴らしい。

音源では可愛らしい歌い方だと思っていたが、ライブでは全然違った。ブレスまでも歌に変えてしまっている。本当に歌い込まれている。一番の驚き。

 

古川未鈴・藤崎彩音: 2人の100%のダンスでの表現。

2Aの部分で諭吉佳作/menが歌ったことにより、本来、歌とダンスで表現していたところを100%踊りで表現することに。ダンスを得意とする2人のしなやかな踊りに引き込まれた。多分、これ狙いだったんじゃないかな。

 

相沢梨紗: 冷静さの中の静かな闘志が見える表情。

一貫してクールな表情で歌い、踊っているが、時折見せる眼光の強さに闘志を感じた。

 

 

諭吉佳作/menの底力

諭吉佳作/menが歌い出した瞬間に確実に空気が変わっている。

映像でここまで感じたのだから、会場ではもっと凄かったのだろう。

 

こんなに大きな箱で歌う経験はまだあまりないだろうが、堂々とした歌いっぷりで聴き惚れてしまった。大サビを任されたのにも納得できる。

 

形而上学的、魔法」は言葉数が多くて、ブレスのタイミングを逃すと息が苦しくなって歌に影響が出るように思う。だが、彼女はそもそもブレスどこ?となるぐらいなめらかに歌い上げていた。オートチューンの使いこなしも完璧。

 

コーラスをすれば妖艶な雰囲気。歌えば、曲に溶け込む透き通る声。

 

やっぱりタダモノではない。

 

 

ライブで化けた「形而上学的、魔法」

この曲を聴いて、観て、感動しているのか圧倒されているのか、泣きそうなのか、恐れおののいているのか、私自身分からない。鳥肌ものだったのは確かである。

 

音源では見えなかった部分がライブで表現され、それが圧巻の光景を生み出した。

 

7人の個性が強烈に放たれていた。