おんがくあれこれあらかると

音楽に関する長いつぶやき

曲ごとに歌声が変化するアーティスト① 大野智(嵐)

とにかく何でも出来てしまう人

大野智を一言で言うならこうだろう。

言わずも知れた国民的アイドル「嵐」のリーダー。

本当に何でも出来てしまうが、今回注目したいのはその"歌声"。

 

曲調に合わせて、歌声を変えるのが最も上手い歌手だと個人的には思う。

 

歌声のバリエーションが広すぎて、本当に同一人物?と疑問を持ってしまいそうになるぐらいなので、この連載『曲ごとに歌声が変化するアーティスト』の1人目に選ばせてもらった。

 

 

5種類の歌い分け

彼は5種類の歌い方を基本として、それぞれの組み合わせで歌声のバリエーションを増やしているように聴こえる。

それぞれの歌い方がよく分かる楽曲と注目してほしい場所をセットにして書いていく。

 

①ポップ

これがの普段の話し声に一番近い歌声なように思う。子音を強調して、1音1音を切っている感じがする。言葉が跳ねたり、弾けたり、破裂したりするリズミカルな歌い方。明るめの曲を歌うときの声のポップさがとても映える。

 

一番分かりやすいのがドラマ『怪物くん』の怪物太郎(大野智)が歌う「ユカイツーカイ怪物くん」。全体的にこの歌い方をしているように感じる。

 

他にも 

Don't You Get It :歌い出しのソロパート

Don't You Get It

Don't You Get It

  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 a Day in Our Life :ラストサビのフェイク。原曲よりSONGSで歌ったバージョンが凄く良い。

 

 

②アダルティ

余計な息が漏れるようなウィスパーボイスで、落ち着いているのに艶っぽい雰囲気。大人の色気が溢れた歌になっている。年を重ねて大人になったからこそ出てきた歌い方だと思う。V6の坂本くんの声もこのイメージ。個人的にこの歌声が好みである。

 

抱擁 :歌い出しのソロパート

抱擁

抱擁

  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

この曲は ARASHI LIVE tour 2017-2018「untitled」で披露されたのが至極である。
それについては別に書いているので見てほしい。

yakkofeemusiclog.hatenablog.com 

復活LOVE :歌い出しのソロパート、エンディングの囁く歌声

復活Love

復活Love

  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 Perfect Night :サビ中ハモリで歌っている部分のメロディーパート
(「Doors ~勇気の軌跡~」 カップリング曲)

 

 

③クリア

突き抜ける透明感がある声。もともとの声質の良さに加えて、ビブラートを綺麗にかけているからこそ。ビブラートに雑味・淀みがなく、澄み切った歌が聴こえる。ブレスを感じさせない、なのにダラダラ歌うわけでもない。メロディラインも滑らかに歌い上げる。大野智の無敵状態。

 

「ユメニカケル」(「愛を叫べ」カップリング曲)と「白が舞う」(「FInd The Answer」カップリング曲)のソロパートを聴くとそういう風に聴こえる。

ストリーミングにないのが悔やまれる。

 

他は

Find The Answer :落ちサビの主メロ

Find The Answer

Find The Answer

  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

④ハートフル

ブレスの時に息を多めに吸い込んで、その空気を含ませながら歌っている感じ。ふわっとしたやわらかい歌い方で、周りを包み込むような印象を持った。文字通り温かみのある曲の時にこう歌っているように思う。

 

私としては、この歌い方の代名詞となるのは「ふるさと」だと思う。

 

ふるさと :歌い出しのソロパート

ふるさと

ふるさと

  • J-Pop
  • ¥255
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Tears :歌い出しのソロパート

Tears

Tears

  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

⑤シリアス・ミステリアス

嵐が歌う曲で、シリアスなのはほとんどないように思うが、時折見せるこの声は痺れる。基本は低音とともに淡々と言葉を置いていく感じで、ビブラートはあまりかけていないように聴こえる。最初は冷たかったその声が徐々に変わっていき、静かな闘志が加わったり、妖しさをプラスしてミステリアスな歌声になったりしている。

 

truth :歌い出しソロパート→落ちサビのソロパート の変化

誰も知らない :歌い出しソロパート、ラストサビ前のハイトーンボイス

誰も知らない

誰も知らない

  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

番外編

5種類の組み合わせで私が好きな曲を1曲だけ紹介する。

①+④の声で歌う「Bittersweet」の出だし。"夢の"の部分。ポップさと温かさが混ざった声に、絶対的なリズム感の良さがあって初っ端から引き込まれる。そして歌詞の文字の強弱が上手すぎる。一度聴いたら耳を離れない。癖になる。

 

 

大野智は演技するように歌う。

これらの歌声を聴けば、その振り幅の大きさが確かなのが分かる。 特に①と②のギャップには目を見張るものがあり、まるで違う人に思える。

 

これが自分の歌声だ、と曲の中で主張はしてこないものの、聴けば明らかに大野智が歌っていると分かる。テレビとかを見ている限り、嵐のリーダーとしても同じよう振舞っている感じがする。 

 

大野智は"何でも出来る"人であると同時に"何にでもなれる"人だと思う。

 

彼の歌は楽曲に溶け込むという表現がふさわしい。