エビ中ロードショー ~ebichu pride @日本武道館 を見て、
このディスクを見て私はファンになった。
私立恵比寿中学好きの友人に借りて、初めてエビ中のライブを見たのが、「新春大学芸会~ebichu pride~」だった。現場にはいなかったが、私にとって特別なライブ。
今日5/3にそれがメンバーの実況つきで限定配信された。
円盤が手元にないので、1年ぶりぐらいに見た。
ここでは先ほどの余韻そのまま、ライブの感想とメンバーのコメント、そしてエビ中初のドキュメンタリー本『私立恵比寿中学 HISTORY 幸せの貼り紙はいつもどこかに』の内容から、この武道館公演が彼女たちにとってどのようなものだったか、感じたことを書いていきたい。
*ドキュメンタリー本のネタバレを避けたい方は見ないほうがいいです。
エビ中ロードショー ~ebichu pride @日本武道館
メンバーのリモートゆるゆるトークから配信開始。
ブロック1
Overtureにあたるおなじみの「ebiture」が流れ、ライブがスタート。
このブロック1番の見所は、「シンガロン・シンガソン」だろう。「ebiture」からの繋ぎでメンバー6人が一人ずつ拳を突き上げるシーンだが、彼女たちの目に、拳に意思が宿っているのがガンガン伝わってくる。対するフロアも凄い熱気に包まれていた。
エビ中のダンス指導をしているの續いくえも、握りしめた拳からものすごい意気込みが伝わってきて、このライブは大丈夫だと思ったそうだ。(本)
前日に卒業した廣田あいかを彷彿させるこの曲を6人で塗り替えた瞬間だった。
この間実況のコメントで廣田のパートを引き継いで、初めて歌ったときはみんな半端なく緊張したと話していた。
ブロック2
自己紹介をはさみ(星名美怜の自己紹介が変わったことについては本に詳しく載っている。読んだ方が早い。)
小林歌穂渾身のズッキュン煽りから始まった「未確認中学生X」、中山莉子の代名詞「ハイタテキ」と続いて、近年ではレア曲になっている「藍色のMonday」。
曲自体可愛らしいのだけど、踊っている美怜ちゃんがさらに可愛くて、
見てて「あれがアイドルか…」となった。
彼女は高音域を力まずに歌えるのだけれど、その歌声が光るCメロと光の入り方がマッチしていていつも以上に輝いて見えた。
ブロック3
星名・小林・中山の煽り対決が盛り上がったところでブロック3突入。
11曲目の 「なないろ」はメンバートークでも話題になっていたが、始めの照明が本当に綺麗。真っ暗から一人歌うごとに花火みたいに光が一色ずつ打ちあがって、"止まらない恋はなないろ"のところで虹ができるのがグッとくる。
印象的だったのは「頑張ってる途中」の中山莉子の表情だ。
1サビ最後の笑顔。
この公演のリハ中、「Go! Go! Here We Go! ロック・リー」の自分のパート"自分を信じないやつなんかに努力する価値などない"を歌っているときに泣き出したとある。(本)
彼女は人前でめったに泣かない人で。
そんな彼女がいろんなことを乗り越えて、笑ってパフォーマンスしているのだからやっぱり頑張るしかないじゃないか。
ブロック4
このブロックは14「制服"報連相"ファンク」→15「EBINOMICS」→16「サドンデス」の繋ぎがカッコいい。エビ中のフリは踊りやすいものが多いから、ここまでダンス100%の彼女たちを見れる機会ってあまりない。
14→15の間に3:3のフォーメーションになって踊るところがあるが、それぞれのセンターが最年少の小林・中山なのも感慨深い。
15→16の火柱が立つ中のソロダンスはトークによると個人で振りを考えたらしい。熱い中バキバキに踊る彼女らを見ていると、もう"カッコいい"しか出てこなくなる。
ブロック5
エビ中メンバーによるとここはエモエモパートらしい。
このブロックは私が好きな所なので、また円盤レビューの時に詳しく語りたい。
とりわけ書きたいのは「春の嵐」と20「日進月歩」→21「君のままで」の繋ぎだ。
「春の嵐」はCメロの安本彩花ソロパートの歌い方を見て大号泣してしまった。例えるなら"絞り出した叫び声"。それが心に響いた。
さらに大サビで嵐が強くなっていくように、真山りかの声量がどんどん上がっていく。ハリのある歌声に思わず息を飲んだ。
20→21の繋ぎは安本彩花の表情が素晴らしい。
「君のままで」の歌詞がハウリングするよう中で、もがいて苦しんで、葛藤している表情が前面に映し出されていた。この表現に配信中のメンバーも思わず「あやちゃんそんな顔しないで…」とつぶやいていた。
ブロック6
このブロックは「涙は似合わない」の安本の曲フリのイメージ。
この曲は"絶対負けない"と言ってから始まるのだが、このライブでは言葉が詰まってなかなか言い出せなかった。
この公演をするにあたっては、6人の新体制初っ端のライブだったため、不安要素が多く、リハのダメ出しが厳しかったらしい。(本)泣きじゃくりながらの練習。
真山はここを見て「大人と戦った私たち」と言っていた。
安本に柏木ひなたもここを見て泣いていた。
この公演までが必死の日々だったのが想像できる。
本編ラスト、「スーパーヒーロー」。
Cメロの柏木の力強い"まだまだ負けない"が新体制への宣言なように思えた。
そして大サビでキラキラと紙吹雪が舞う中、上を向いて歌う6人が凛々しかった。
アンコール
「HOT UP!!!」が歌われた頃に、舞台裏が騒然としていたことは『HISTORY』を読んだ人なら分かるだろう。とんでもない気迫で、熱量で歌われていたこの曲を聴いて、大人たちはある決断をした。それが「新メンバーオーディション開催発表の中止」。
エビ中の顔であった廣田あいかが抜けて、どうにか話題をつくろうとサプライズで企画していたそうだ。だがエビ中の"プライド"が顕著に表れたパーフォーマンスを見て、良すぎてやめたと校長(マネージャー)は語る。
28曲もやってきてさらにエネルギーを放出していた。
そこに「感情電車」で小林歌穂のCメロの圧倒的なロングトーンが染みわたり、幸福度MAXの「永遠に中学生」で幕を閉じた。
笑顔の裏の不断の努力
真山はトークで「ebichu prideは一番繋ぎが多かった」と言っていた。しかし、大変だったのはそれだけではなかったはずだ。この公演は2daysの2日目。前日とセトリもガラリと変わっている。そして7人から6人になったため、歌割りやフォーメーションも全く違う。
その大変さをステージ上では全く見せなかった。
そして、トークでもほとんど触れなかった。
最後に星名と中山がこんなコメントをしていた。
「ライブしたい!」「ライブがしたい!それに尽きる!」
強すぎるよ、6人のエビ中。
私もくすぶっている場合じゃないな。
↓ 参考資料です