おんがくあれこれあらかると

音楽に関する長いつぶやき

ライブレポ 私立恵比寿中学 『オンライン大学芸会~all of our playlist~』

初のオンラインワンマンライブ

予定されていた春ツアー、私立恵比寿中学『ど真ん中スプリングツアー2020~playlistを共有しますか? はい/いいえ~』の代替公演となった8/16のこのライブ。

 

ワンマンとしては初のオンラインライブ。そしてメンバーの安本彩花復帰後、星名美怜完全復活後の初のワンマンライブ。未披露曲をやることも事前に予告されていて、いろんな意味で期待と注目が集まっていた。

 

今しか見れない、彼女たちの渾身のパフォーマンスをびんびんに感じたのでレポを書こうと思った。

 

それでは。

 

 

セットリスト

In. ebiture

1. ジャンプ

2. 響

3. 春の嵐

4. SHAKE! SHAKE!

 

5. 制服"報連相"ファンク

6. 禁断のカルマ

7. 藍色のMonday

8. トレンディガール

 

9. オメカシ・フィーバー

10. ちがうの

11. PANDORA

12. イート・ザ・大目玉

 

13. シングルTONEでお願い

14. I'll be here

15. 曇天

16. 自由へ道連れ

 

17. 愛のレンタル

18. HISTORY

19. 星の数え方

20. サドンデス

 

21. COLOR

 

 

 

ライブレポート

Part1

都会の雑多な風景・喧噪のVTRから始まる大人な世界観。

CMJKによってebitureのアレンジもオシャレに施されていた。

 

 

黒と紺が基調のシックな衣装を身にまとってステージに現れ、歌の冒頭からアカペラで歌い始めたのは「ジャンプ」。声にはまだ緊張感が残る。だが、一人一人が全身のエネルギーを放出させながら歌っていた。

2Bの安本のラップパート、"分厚い扉を開くんだ"の"開くんだ"の希望に満ち溢れた歌い方。そこから"今だー!"のセリフの流れを聴いて、このパートがシリアスな曲調の中にあることに妙に説得力を感じた。

ジャンプ

ジャンプ

  • provided courtesy of iTunes

 

 

「響」では、真山りかの歌い出しの安定感、6人のユニゾンに安心感を感じ、改めて6人のエビ中が帰ってきたことを感じさせる曲となっていた。

そしてまたも真山が歌い出しの「春の嵐」が続く。圧倒的声量は健在。走ると風になびく衣装と曲調がとても合っていた。とりわけユニゾンの厚みが印象的。

 

 

スポットライトに当たった小林歌穂が歌い出したのは「SHAKE! SHAKE!」。今回が初披露。
カッティングが効いたポップな曲調に合ったキャッチ―な振り付けで歌い踊る。声のトーンが高い星名美怜のラップはさらにこの楽曲を華やかにしていた。

そこからCメロのギャップがまた、良い。

SHAKE! SHAKE!

SHAKE! SHAKE!

  • provided courtesy of iTunes

 

 

Part2

挨拶と自己紹介をはさんで中山莉子の "みんなでファンクしちゃうぞー!" の掛け声と共に「制服"報連相"ファンク」を。

中山のメイン曲なだけに、その力強い歌声とメリハリのついたダンスには貫禄がある。

 

 

真山の色気、柏木ひなたの艶っぽさが目を引く「禁断のカルマ」、星名が縦横無尽に無邪気に駆け回りながら歌う「藍色のMonday」と続く。どちらの曲も年を重ねたからこその表現で歌っている感じがした。

 

 

リリース当初はメディアでなかなか6人で披露できなかった「トレンディガール」。

起伏の少ない無機質な曲は安本の声が似合うなと思った。そして対極的に小林の明るい声がアクセントになっている。

ハモリ、特に1Bの"愛してみたい"が綺麗にまとまっていて思わずため息をついてしまった。確かにこの6人はトレンディガールだわ。

トレンディガール

トレンディガール

  • provided courtesy of iTunes

 

 

Part3

暗転してレーザーが飛び交う中、リミックスが流れて「オメカシ・フィーバー」が始まる。画面上には曲に合わせて合成でポップでカラフルな歌詞テロップが流れる。オンラインだからできる演出。全員が全員、めちゃくちゃ楽しそうに歌っていた。

 

 

そして「ちがうの」。初めて聴いたときから、Bメロを歌う安本・柏木をずっと見たかった。個人的に聴けて一番嬉しかった。そこだけ表現力が異次元。

全体的に胸を締め付けられる苦しさが伝わってくる楽曲なのだが、小林の落ちサビによってその日常にあったキラキラが添えられている。"まだまだ"がとりわけ。

ちがうの

ちがうの

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ここからヒートアップ。「PANDORA」では一人一人の声量がここにきて上がっていた。星名はこれだけ高音域を歌ってほとんど外さないとか、異常。メンバーの歌っているところを見せるより演出にふりきった画面レイアウトもカッコいい。

この流れで真山が "踊れ~!!!"と煽ってからの「イート・ザ・大目玉」はBPMが高すぎた。ほんとに体力・声量どうなってるの…

 

 

Part4

少しのMCをはさみ、Part4に突入。

「シングルTONEでお願い」は振り無し。ステージの高低差を活かし、客席にも降りてきてムード歌謡のように大人っぽく。

安本・柏木・星名の歌の対比が同じ大人っぽさでも少しずつ違っていて面白い。

ライブでは珍しいフェードアウト終わりでステージから去るのも新鮮だった。 

シングルTONEでお願い

シングルTONEでお願い

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こんなエビ中見たことない。この日のハイライトに「I'll be here」をあげる人もおおいのではないか。この日が初披露となったこの曲はすべてが見所。

R&Bサウンドに合わせてしなやかに艶やかにカッコいいダンス。

柏木の歌いながら踊る姿は、無双。本領発揮。

2サビで真山がセンターになると曲の主人公が大きく変わって曲の表情も変わっているように思えた。小林の歌の振り幅も広がっているような気がしてならなかった。

I'll be here

I'll be here

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続いて「曇天」。このセトリの順番は雰囲気を保ったままでとても良かった。6分割画面の演出も振りを考えると的確。それぞれが違う振りだから一人一人の歌に対する表現が見ることができた。特に目を引いたのは中山の醸し出す雰囲気。踊りもそうだが、独特の発声がこの楽曲の世界観に見事にはまっていた。エモすぎる。

曇天

曇天

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そしてアイドルにあまり興味のない層からも評価の高い「自由へ道連れ」。

いまだに再生回数が伸びているMVを再現した演出。歌い終わりの笑い声も良い。

歌い込んできて完成度が高いし、相変わらず安本の歌い出しには引き込まれる。

 

 

上手く言えないが、ものすごいパートだった。

 

 

Part5

ムーディーなジャズリミックスから「愛のレンタル」で始まる。

真山の安定した色っぽさはもちろん、他のメンバーとは異なる中山のあどけなさを帯びた声が光ってる。安本の休符使いに抑揚にも痺れる。

ひらひらした衣装を存分に活かしたアウトロのダンスは見ごたえがあった。

愛のレンタル

愛のレンタル

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HISTORY」は画面6分割での披露。半年前のバンドでの大学芸会と同じ構成。でも今回は全員が同じ場所で歌っている。

一言一言を噛みしめているよう歌っていて、何回見ても泣いてしまう。最初に見た時は泣きすぎて記憶が吹っ飛んだ。真山・安本も後半部分少し涙をこらえている気がした。

 

 

そして「星の数え方」。もう泣かせに来てるとしか思えない。

ハモリの精度が上がってる。完璧とは言えないけど、常に一生懸命真剣に歌っているから、近い将来もっと素敵なハーモニーが聴けるんだろうなと確信した。

あやちゃん泣いてる。小林の温かい歌声に染みいって、安本が泣いているのを見てまた涙に誘われる。歌も歌う姿も美しかった。

星の数え方

星の数え方

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そっからいきなりの「サドンデス」には驚かされた。感情がおかしくなりそうだった。

ダンスバトルパートでは小林以外誰もいなくなる、とコメディ感たっぷりで、エビ中要素がてんこ盛り。

"程よい距離感の私立恵比寿中学ー!!!"には笑った🤭 

 

 

 

ラストは「COLOR」。1サビで真山・安本が持ち場に間に合わないけど楽しそう。

どんなにつらいことがあっても楽しくいようというエビ中のメッセージを受け取った。

幸せオーラを存分に振りまいて幕を閉じた。

 

 

コール無しライブの可能性

今のエビ中の良さがすべて詰まっている。

そういうライブだった。

 

今回のセットリストは、オンラインとの相性が良かったのかもしれない。特にアルバム『playlist』はコールできそうな曲が少ない。でもそれがなくても歌に比重をおいているからなんら問題はないし、エビ中はそういうことができるグループだ。

 

『ちゅうおん』以外にもコール無しで、歌・曲を聴かせ、踊りを見せるライブをやれるのではないか。そうしたらこのコロナ禍でも適応していけそうな気がする。

 

 

最後の挨拶で星名が言っていた"声が直接聴きたい" というのはきっと、メンバーもファンもどちらも共通の思いだと思う。

 

 

果たして今年の『ちゅうおん』はどんなライブになるだろうか。