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音楽に関する長いつぶやき

ライブレポ sumika『Live Tour 2022 「花鳥風月」-第二幕-』(1/26 in Zepp Divercity Tokyo)

「花鳥風月」、続編。

11月にファイナルを迎えたsumikaの「花鳥風月」ツアー。

その続編として第二幕が1月からスタートした。

今やホールやアリーナの常連であるsumikaであるが、ライブハウスでもコンスタントにライブを行っている。

 

そんな約2年ぶりに開催されたライブハウスツアー、前作からの予測不能な展開も引き継がれた、ZeppDivercity2日目公演のレポです、どうぞ!

 

 

セットリスト

1. ソーダ

2. Answer

3. 絶叫セレナーデ

4. 1.2.3..4.5.6

 

5. ファンファーレ

6. ホワイトマーチ

7. Strawberry Fields

 

8. sara

9. Marry Dance

10. アンコール

11. Babel

12. Jasmine

13. ペルソナ・プロムナード

14. カルチャーショッカー

 

15. 一閃

16. Shake & Shake

 

Encore

17. フィクション

18. 願い

19. 雨天決行

 

ライブレポート

Part1

淡く温かみのある照明の中、sumika4人とゲストメンバーが揃って登場。

"Welcome to My Home"とSE代わりのコーラスで観客を出迎える。

 

 

光の中から弾け出るように「ソーダ」を歌いスタートダッシュを切った。

ポップ全開な流れをそのままに「Answer」に続く。

約1分半と短い曲であるのに、サビの重厚なコーラスで満足感が凄い。

 

今ツアーではメンバーが横並びになっており、左右で場所も異なるために新鮮味が強く、それぞれの演奏が粒立って見える。

 

 

「絶叫セレナーデ」はとにかくライブハウスでよく映え、最高に楽しい瞬間だった。踊り狂うまではいかないものの、3曲目にして既にフロアが浮足立つ。フェスライクなお祭りソングという点でKEYTALKの「MATSURI BAYASHI」に似たものを感じた。

三浦太郎のハイトーンな声が裏で響き華やかなパフォーマンスとなった。

絶叫セレナーデ

絶叫セレナーデ

  • provided courtesy of iTunes

 

BPMはぐいぐい上がり、勢いを増すようにして「1.2.3..4.5.6」が始まる。

既に話したようにいつもよりドラムが見やすい位置にあり、激しい曲調の中でのDr. 荒井のさばきに見惚れてしまった。

 

 

Part2

MC明けはライブでは定番曲となっている「ファンファーレ」。ライブハウスに爽やかで、でもどこか泥臭い風が吹き抜ける。

 

 

かと思えば降り積もる雪を連想させるような「ホワイトマーチ」を歌う。Aメロのギターの細かいストロークはその雪を踏みしめて歩く様子が伝わってきた。

サビでは雪に見立てた白く細かい光がステージを照らす。

アウトロ部分ではKey. 小川の弾くピアノを基軸にした切なさ・儚さがぐっと押し寄せてきた。

ホワイトマーチ

ホワイトマーチ

  • provided courtesy of iTunes

 

そして軽いゲストメンバー紹介を含めて「Strawberry Fields」を。

少し大人な雰囲気の中、Vo.片岡の歌もメンバーの演奏も余裕たっぷりだった。

 

 

Part3

癖の強いゲストメンバーの自己紹介とsumikaのメンバーが挨拶を済ませた後、

(相変わらず片岡は"お腹が空いたか、東京ーーー!!!"みたいに頭のネジ1本外れたような発言を並べていた…)

開場中からの違和感であった、メンバー配置について触れていた。

理由こそ言及しなかったが、小川とGt.黒田の位置も入れ替わったり、荒井が前に出てきたことによる緊張感やそわそわがあったと話す。

 

 

ここで次の曲をみんなに決めてほしいと

「前向きな未来の恋の歌」「過去の恋愛を思い返す歌」

と曲名なしの2択で多数決をとった。

 

ちなみに両方に拍手した人は片岡がどぶの水を飲ませるらしい。

 

準備段階で片岡がギターの最初のコードを弾くうっかりハプニングもあったが、選ばれたのは後者の「sara」であった。

 

 

ここからは楽曲制作合宿で作り上げた最新アルバム『SOUND VILLAGE』の曲を次々と披露していく。この3曲の振り幅がすごい。

 

まずは自由にゆったりと聴いてほしいと「Marry Dance」。オレンジの照明を浴び、程よい脱力感で会場中がゆらゆらしながら曲を全身で受け止めていた。

この曲ではゲストメンバーが輝いていて、須藤優の奏でるサビの下がっていくベースフレーズが心地よく、終わり際の音階が上がっていくコーラスは絶対難しいだろうに透明感があってとても綺麗だった。

Marry Dance

Marry Dance

  • provided courtesy of iTunes

 

 

続く「アンコール」はひたすらに叙情的だった。

序盤は小川と片岡のみに輪の照明が当たり、サビでは全体がぼんやりピンクに、Dメロは

いつになっても消えない まだ消えない消えない恋の中

いつになっても知らない 知りたくない知れない愛の中

いつになっても消えない まだ消えない消えない君のまま

いつになっても消えない まだ消えない

まだ消せない

もう消えない

という歌詞と呼応し激しい心残りがこもった情熱的な赤になる。この終盤で頭を振り乱すメンバーの一心不乱な演奏と片岡の叫び絞り出す歌声が相まって苦しくなった。

アンコール

アンコール

  • provided courtesy of iTunes

 

 

ザラついた英語の音声が流れ始め、片岡とゲストメンバーのGeorgeを残し、Three Two One の合図で「Babel」が始まる。

激しいビートとは裏腹に片岡は淡々と歌い上げ、たまに差し込まれる緑のライトが不気味さを増す。

サビで挙げる手がぎこちなかったり、間奏のGeorgeのDJプレイだったり、こういう重たくヒップホップ寄りのリズム感に観客が慣れていないのを含め、それくらい新境地の曲であることを改めて実感した。

 

 

捌けていたメンバーがステージに戻り、荒井(ドラム)、Geroge(キーボード)、須藤優(ベース)によるインストでジャジーに曲間をつなぐ。

 

 

"後半戦飛ばしていくぞ~"の掛け声とともに始まったのは「Jasmine」。

振り満載でコロナ禍でも会場一体となって楽しむことができる。間奏での黒田のギターと須藤優のベースのグルーヴは気持ちが高ぶる。

 

 

アップビートな展開は止まらない。小気味いいギターリフが光る「ペルソナ・プロムナード」、ワンマンライブでは久しぶりの「カルチャーショッカー」と披露していく。

イントロが流れた瞬間、小刻みにジャンプして自然に踊りだしてしまった。

 

 

Part4

"良いことはすぐ忘れてしまうけど、悪いこと・嫌なことはずっと残る"

"でも良いことでいたい、どんなことがあっても裏切らない存在でいたい"

 

そんな考え方でまっすぐ生きるsumikaが、ラストととかき鳴らしたのが「一閃」。

この曲は片岡・小川のツインメインボーカルになるのだが、その対比が顕著だ。小川の歌声からは若い頃の脆さや不安の入り混じった心情が、一方片岡からは大人になった力強さが見え、過去と現在がぶつかり合うように聴こえる。

でも、反発するのではなく"支え合う"という言葉が似合う。特にユニゾン

 

それに共鳴するように黒田や荒井の演奏にも熱が籠る。4人それぞれの若い頃の記憶、かつてのバンドでの忘れられない想いがストレートに響く、原点とも呼べるパフォーマンスに圧倒された。

一閃

一閃

  • provided courtesy of iTunes

 

そんな雰囲気を最後の1曲です、と披露した「Shake & Shake」イントロ1音で変えていく。スコーンと歌う最後のロングトーン、その後のフェイクまで軽やかでキラキラとした世界に一気に引きずり込まれ、その余韻が残ったまま本編は終了した。

 

 

Encore

アンコールはThe sumikaな曲の代名詞、「フィクション」からスタート。緊張すると語った荒井も客席を見ながら笑顔で叩く。冬曲「願い」は小川とGeorge2人のキーボードの二重奏が切なさを倍増させる。

 

"おじいちゃんになってもこのメンバーとsumikaをずっとやっていきたい"

そう話したMC後は、最後の曲「雨天決行」。

その決意を再び確認するように歌詞をなぞり、楽器を鳴らす。

 

 

"今日みなさんが来てくれたおかげで僕たちはここに立てています。ありがとうございました!"

 

そう告げてステージを降りた。

 

 

変わること、変わらないこと

アンコールのMCで片岡はsumikaというバンドについて、"刺激がないから飽きてしまうかもしれない" と話していた。

 

いやいやめちゃくちゃあるやん!と心で突っ込んだ。

 

ライブで言えばメンバー配置を変えたこと、楽曲制作合宿という新しい形で音楽を作り、今までにない毛色の楽曲を生み出してきたこと。

 

 

同時に意識して変えていないこともあるのだろうと思う。

 

例えば、音楽に向き合う姿勢、アットホーム感など。

ライブが始まり、音がカチッとはまる瞬間だったり、いつもの雰囲気を感じ取ったり、ああsumikaだなぁと思うことが随所にあった。

こういった安心感を聴きに来た観客もきっといる。

 

 

この日のパフォーマンスからは、変わりゆくことと変わらないことがどちらも感じられた。

 

でもまるごとsumikaらしい素敵なライブだった。

 

 

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過去ライブのレポはこちらから↓

yakkofeemusiclog.hatenablog.com

 

yakkofeemusiclog.hatenablog.com