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ボーナスショータイム ― Penthouse『ONE MAN LIVE in 日本武道館 "By The Fireplace"』ライブレポ(3/16)

バンド史上過去最大規模キャパ、そして初の日本武道館公演。

これは見ずにはいられないだろうと、週のあたま、平日開催のことなぞ何も考えずにチケットの申し込みをした。

蓋を開けてみれば先行抽選でほとんど埋まり、一般発売そして機材開放席も即日SOLD OUT。

とんっっっでもなく素晴らしいステージでして、アウトプットがてら語り尽くしていきます。

 

セットリスト

1. Welcome to the Penthouse
2. Planetaly
3. ナンセンス
4. Stargazer

5. 青く在れ
6. Minute by Minute
7. Live in This Way

Cateen's Time
8. Smoke on the Water/Deep Purple(Vo. 浪岡)
9. 花束のような人生を君に(Vo. 大島)

10. スペシャルメドレー
Change the world(2021) ~ Take Me Maybe(2023) ~ Jukebox Driver(2021) ~ 流星群(2022) ~ 26時10分(2021) ~ Raise Your Hands Up(2024) ~ 隣の恋は青(2025) ~ 夏に願いを(2023)

11. 一二三(新曲:いちにのさん)
12. フライデーズハイ
13. 一難
14. 我愛你
15. ...恋に落ちたら

Encore
16. Fireplace
17. Taxi to the moon

 

ライブレポ

年度末3月の月曜日にも関わらず、記念すべき日を見届けようと全国各地からファンが集まっていて、文字通り満員御礼。

様々なアーティストのライブに足を運んでいるけど、ここまで老若男女幅広い世代に愛されているのは稀有な例だと思う。

私は2Fスタンド席で、私よりさらに上の席へ60代ぐらいの女性が階段を上っていく姿も見かけた。かなりの急勾配だし、ご婦人、パワフルすぎますって…

 

事前の予告通り19:00ぴったりに暗転した。
メンバーそれぞれのソロインタビューで、武道館への想いと意気込みを語るムービーが流れる中、ごく自然にステージに姿を現していく。

 

ライブスタート曲としてお馴染みの「Welcome to the Penthouse」で幕を開け、観客のクラップを誘い、歌い出しの演奏の余白が印象的な「Planetaly」が本編の1曲目に。かなり予想外の選曲だったのか、客席から驚きの声も。

一番聴きたかった曲、感謝。初っ端だったからか周りのコール&レスポンスはまだ控えめだったけど、私は既にボルテージMAXで体を揺らしながら「You!」と応える。隣の1人参加の女性もノッていて、スタートダッシュは上々。2番サビ前のDr. 平井ブレイクも生で聴けて痺れますねぇ~~


www.youtube.com

 

間髪入れずに「ナンセンス」が続き、コーラスとブラスの厚みに圧倒される。

「あ、これPenthouse(ビクターチーム)の力の入れようヤバいな、本気だ…」と感じたのが、ステージングだ。

音楽だけでも無論格好いいのだが、敢えてAメロで暗めにライティングして、メンバーを目立たせることなく雰囲気出すことに振り切ってからの、サビで歌詞のタイミングに合わせて色が切り替えていくことにより、全体の完成度がぐっと引き上がる。

特に、"イキる勿れ 黙れ 黙れ~~" のロングトーンに合わせてグワーッと照明が昇っていくところがゾクゾクする音ハメでした。演出全体が見渡せるスタンド席でむしろありがとう。

ナンセンス

ナンセンス

  • Penthouse
  • R&B/ソウル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

次の「Stargazer」でも、Vo. 大島の力強くまっすぐな歌声と赤いレーザーとが、まるで闇夜を切り裂いていくアベンジャーズような。冒頭からトップスピードのパフォーマンスで会場を沸かせていった。

 

武道館初公演アーティスト恒例の、かつ間違いやすいフロアごとの出席確認(アリーナ、1階、2階)も難なくこなすMCを挟み、ライブは続く。

 

先月発売したばかりの新曲「青く在れ」ではバンド構成もシンプルになり、軽やかで爽やかな風が3月の武道館に吹き抜ける。Pf. 角野のイントロのピアノさばきに思わず感嘆の声が上がったのは「Minute by Minute」。青さのあった前曲からテンポがスローダウンし、ラグジュアリーな雰囲気に。

かと思えばゴスペル調の「Live in This Way」に一転。メンバーは会場いっぱいに広がり、ボーカル2名、サポートコーラス6名の計8名の歌声が空間を掌握する。大サビでは歌とクラップが鳴り響き一体感が生まれ、1万人以上が音を重ねた。

 

メンバーがはけてステージ上にはVo. 浪岡、そして角野さんの2人に。Penthouseライブ恒例のPf. 角野のピアノ演奏に乗せてボーカル2人がそれぞれ単独で歌を披露するCateen's Time(かてぃんタイム)が始まる。
初めてのワンマンでオリジナル曲が少なかったことから、つなぎとしてカバー披露をしていたことを機にずっと続けているらしい。

浪岡さんはPenthouse結成前に組んでいたバンドがハードロックだったこと、武道館の思い出がDeep Purpleの来日公演だったことから、イントロのリフが有名な「Smoke on the Water」カバーをチョイス。歌詞すべてに濁点がついているような力強い歌声。ピアノでハードロックって表現できるんだ、と野太い演奏を聴いて思う。

一方真帆さんはオリジナル曲の「花束のような人生を君に」。家族の無償の愛を歌う楽曲と紹介しながら、家族のことを頭に浮かべてか涙ぐむ。歌い出しからサビ前まではずっと声を震わせながら、でもそれ以降は決意を固めたかのようにしっかり前を見て歌っていて。天井に映し出される星空のようなライティングも綺麗で、感動して私も少し涙がこぼれてしまった。真帆さんは角野さんのピアノを「涙腺を緩ませてくる」と表現していたが同感。1曲前の演奏も含め、魔法みたいだ。

花束のような人生を君に

花束のような人生を君に

  • Penthouse
  • R&B/ソウル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

こっからは怒涛のPenthouseスペシャルメドレー。歴史を振り返れる構成にしたとのことで、メジャーデビューした2021年以降の曲を順不動に披露していく。スクリーンにはその曲のMVとステージ映像が同時に投影されて、積み重ねてきた時間を感じる。"シティソウル"というバンドのコンセプトは核としつつ、目まぐるしく繰り出される音楽。1曲変わるごとに歓声が上がり、フロアもどんどん熱を帯びていく。青春も、落ち着きも、ハイなテンションも、切なさも全部詰まっていた。曲調もBPMも激しく変化するなか、改めてBa. 大原そして平井さんのリズム隊の正確性と安定感を感じる。

 

ライブも終盤に差し掛かったところで、MCにてメンバーそれぞれから話が。
さぞかし並々ならぬ想いを聞けるのかと思いきやどっこい!

 

大原さん
嫌な夢を見た。ステージの設計ミスでドラムとピアノが置けず、角野がピアニカ手に持って弾いていた。

矢野さん
会社員でもあるんですが、今日も仕事してきました(←!?)午後半休取って、明日も朝から出社します。MTGが8本あります(←!?)

平井さん
Penthouse共同のグーグルアカウントがあるんですけど、アイコンがずっと僕の変顔。そしてそのアカウントでマップ上のお店にネガティブコメント(正確にはお店の周りの環境への提言)してて許せない!

角野さん
武道館の八角形はつまりHayato Sumino(←?)楽屋の鏡とゴミ箱も八角形だったので、隠れ角野を見つけてくださいね。

 

他に言うことないんかい!!


という訳で本編ラストスパートへ。新曲やります!と始めたのが「一二三」。図らずともか意図してのことなのか、"満員御礼"という歌詞があり、武道館のために作られたのかも錯覚する。"Please excuse me for leaving before you" と真帆さんが発した合図で「フライデーズハイ」へ。カラフルに場内を彩る照明の中、月曜から金曜夜のダンスホールへと様変わりする。その雰囲気を踏襲しつつ「一難」では、サポートパーカッションのぬましょうさんのボンゴ・コンガが躍動し、ラテンチックな音楽で体も心も踊らせていく。

 

「最後はみんなと歌いたい」と"Nah Nah Nah"のフレーズを会場みんなで練習して臨んだ「我愛你」と「…恋に落ちたら」。観客とともにシンガロンして、多幸感溢れるエネルギーで満たされていく。メンバーもステージ左右に移動して、より距離が近くなる。ぴょんぴょん跳ねる浪岡さんのギャップ。最後の曲、「…恋に落ちたら」ではスクリーンが6分割になってメンバー全員の様子が横並びに映る演出、キラキラ舞う紙吹雪、そして楽曲の甘酸っぱさが相まって、こみ上げてくるものがあった。古参じゃないのに。
Gt. 矢野のふわりとしたギターアウトロで本編の幕が閉じた。

...恋に落ちたら

...恋に落ちたら

  • Penthouse
  • R&B/ソウル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

観客がアンコールを期待して手拍子する中、またもや映像が流れる。
今回の公演タイトルにもなった"By The Fireplace"についての思いについて。バンドとして初めて作った大切な曲である「Fireplace」というワードを入れたいと考えたそうだ。映像終わりでメンバー6人のみステージに再び姿を現す。配置は今までと変わり、ステージ中央にギュッと集まる形になっている。

 

ドラムインで始まったのは、まさに「Fireplace」。そして私の中でのハイライト。距離が近くなった分向かい合って互いの表情を見ながら歌い、演奏する空気感が尊い。先ほどの動画内で「めちゃくちゃ下手だったなぁ」と回顧している様子を見た後だとなおのこと。
もともと私はしっとりと大人びた雰囲気を持っていて、主役になる誰かがいるのではなく6人のバランスが滲んでいるこの曲が好きだったのもあり、それを現地で、このメモリアルなタイミングに見れたことがとても嬉しかった。あとは6人だけでの演奏から徐々に仲間が増えていくシチュエーションも熱かった…!!見せ場の矢野さんギターと大島さんベースのユニゾンもバシっと決まって最高でしたね。

Fireplace (Re-recorded)

Fireplace (Re-recorded)

  • Penthouse
  • R&B/ソウル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

そんな素敵な時間を過ごした後で最後のMC。平井さんの渾身のグッズ紹介は割愛させていただき、新たにニューアルバム発売、東名阪ツアーの開催が発表されて、ここでストップすることなく次に向けて走り続けるという宣言を聞き、正真正銘ラストの曲「Taxi to the moon」。この公演で一番大きなクラップが鳴り響き、手を挙げて体を揺らす人もいれば、MVの振りに合わせて踊っている人も。サビと同時に銀テープが舞う。誰もが自由に音楽を楽しむステージとなり、大団円を迎えた。

 

ボーナスショータイム

圧倒的な歌と演奏力を目の当たりにして、まだ3月にして、2026年のベストエンタテインメントショーになるかも、と感じるぐらい楽しかった、楽しすぎた…!ただここまで感銘を受けたのには、単純に音楽的な要素だけではないように思う。

それは"6人で続けてきたこと"。それぞれに別の生活がありながらも、大学のサークル仲間というところから10年以上、同じメンバーでPenthouseとして音楽を紡いできた。


印象的だったのが、メンバーが口々に感謝を述べていたシーンだった。
世界的ピアニストとして単独で武道館コンサートを経験したことがある角野さんは「こんなにカッコいい先輩方に着いてきてよかった」と話し、おそらくツンデレな浪岡さんでさえ、サプライズ的にメンバー全員に感謝を伝える。そして角野さんがピアノソロで外側を向いている時に必ず駆けつける矢野さん、愛情の裏返しともとれる言葉をまくし立てる平井さん、自分は器用ではないけどここでなら私は貢献できると真帆さん、そして全員でライブができて嬉しそうな大原さん。

 

そんな関係性がとても眩しかった。

続けてきた"ご褒美" ではないけれど、それが武道館ライブだったんじゃないか。

 

そんなPenthouseにとってのボーナスステージを一緒に味わわせてもらい、集大成であり通過点を見届けられて、本当に良かったなぁと思う。ここからもっともっと広い世界に羽ばたいていくだろうな!