おんがくあれこれあらかると

音楽に関する長いつぶやき

キャンペーンを通じたファンの思いやりの交差 -私立恵比寿中学とKis-My-Ft2

アイドルファンの奇跡の交流

最近のどんよりした天気に対して清々しいタイムラインが目に入ってきた。

8月中旬の週末、2組のアーティストのファン同士のやり取りが突如として始まった。

 

スターダストプラネット所属の私立恵比寿中学、通称"エビ中" と

ジャニーズ事務所所属のKis-My-Ft2、通称"キスマイ" である。

 

とあるレコ発キャンペーンをきっかけとして、ほとんど関わるはずのなかった2組のファンが活発に反応し合っていた。

 

どんな出来事が起こっていたのか?

どこが奇跡なのか?

 

私が見てきたその温かい瞬間をぜひ共有できたらと思う。

 

 

なお私はその出来事の中心にはいない。Twitter上で繰り広げられていたことをまとめたにすぎないので、何か違うことがあれば気軽にコメントしてほしい。

 

 

両者のレコ発キャンペーン

私立恵比寿中学

8月18日の『FAMIEN'21 L.P.』発売に先駆けて、リード曲である「イヤフォン・ライオット」を先行配信。8/11(水)からLINE MUSICで再生回数に応じたプレゼント企画が行われた。

 

それがまぁえぐい。サイト見てもらうと分かる↓

 私立恵比寿中学「FAMIEN'21 L.P.」スペシャルサイト (sonymusic.co.jp)

 

企画③に関しては総再生回数999万回を目指すという末恐ろしいもの。

そのためエビ中ファンはキャンペーンが始まってから日夜聴き込んでいる。

 

この状況を念頭に置いといてほしい。

 

Kis-My-Ft2

キスマイに関しては情報を把握しきれていないので、調べてみた。

 

8月10日発売の『BEST of Kis-My-Ft2』に合わせて、全シングル曲とベストアルバム収録曲がLINE MUSIC限定でサブスク解禁された。

 

再生回数を上げる系のキャンペーンは、新曲の「A10TION」を100回以上再生で動画プレゼント、という4つ目の企画があたる。

ただ、メンバーによるリリース記念の生配信が8/14(土)の22時から行われる予定となっていた↓

「BEST of Kis-My-Ft2」リリース記念!LINE MUSICコラボコンテンツ&キャンペーン詳細決定! | Kis-My-Ft2 Official Website (avex.jp)

 

 

一連の出来事

事が起こったのは8月14日。

キスマイの生配信が行われる頃である。(定かではないのでぜひ検索してほしい)

もちろんキスマイファンは、LINE MUSICのランキング1位を獲ってメンバーとお祝いしたい。

 

ただ、9月まで続く先ほどの企画のため、トップはエビ中の「イヤフォン・ライオット」がずっと独占状態だった。

 

その時に、一部のエビ中ファンが自発的にキスマイの「A10TION」を聴き出したのだ。

 

やがてエビ中ファンの中で伝播していき、この影響はどこまで及んだのかは測れないが、「A10TION」は生配信の時間中に1位を獲ることができた。

 

このムーブメントがキスマイファンの目に入り、Twitterのタイムラインがキスマイファンからエビ中ファンへの感謝の言葉で溢れていた。

 

 

そして8月15日。

今度は、"リスニング音楽祭"というエビ中メンバーによる生配信同時再生企画が行われた。「イヤフォン・ライオット」を聴いた感想などを#エビ中ライオット や #イヤフォン・ライオット をつけてトレンド入りさせる、というものである。

 

ここでキスマイファンが昨日のお礼とて、生配信を視聴したり、ツイートに参加してくれたのだ。

 

エビ中メンバーはこのやり取りを知っていたらしく、配信で触れていた。
(↓見れるかな?) 

私立恵比寿中学(エビ中)さんがライブ放送しました / Twitter

 

これまた影響の程は分からないがトレンド4位という実績に。

今度はエビ中ファンからキスマイファンへのメッセージが溢れる。

 

 

そして未だにこの流れは連鎖していてMVのコメント欄でも垣間見える。

 


www.youtube.com

 

 


www.youtube.com

 

 

 感動の理由

ファン同士の交流を見て、感動的に思えた理由は2つある。

 

1つ目は競争の度外視。

アイドルファンはとりわけ、ランキングや再生回数へのこだわりが強い傾向にあると思う。実際自分の好きなグループのファンがこれらの要因でいがみ合う様子を見てきた。

 

しかし今回は極端に言えば、 "ランキングを譲る" ことが起きた。想いを汲んで行動したことで、逆サイドのファンも思いやりを持って返してきてくれていた。

 

本来ならライバルになり得る状況が、こんな素敵な光景に変わるとは予想ができない。

 

例えるならば、対バンライブやフェスなどで、自分の目当てのアーティストの出演時間に、前にいた他のアーティストのファンの人が、見やすい位置を譲ってくれたような感覚だった。

 

 

2つ目は価値観が違う中での共鳴。

ファン層を比較すると、エビ中は30~50代前半の男性 (ライブでの肌感覚)、キスマイは20~30代の女性 (ジャニーズライブでの肌感覚の平均) が多いように思う。

 

それ以外にもライブ時の服装、CDの買い方など様々な場面で大いに異なっている。

だから普段から男性アイドルファンと女性アイドルファンの交流は少ないように思う。

 

こんなに価値観が違っていても、互いに聴き合い、褒め合っているやり取りを見て、

 

「あ、繋がった。」

 

と温かさを感じずにはいられなかった。

 

 

新たな交流が生み出すもの

私は再生回数を上げようキャンペーンは正直好きではない。音楽を聴いているよりもただただ消費しているようなイメージがあるから。

 

でもこれがなければ、この温かいムーブメントは起こらなかった。

 

エビ中ファンはキスマイの曲を、キスマイファンはエビ中の曲を聴く機会が生まれた。

 

このようにキャンペーンが回数を競う場ではなく、交流の場になれば、音楽も自ずと広まっていくのだろうと私は思った。

 

 

 

最後にエビ中ファンの私から…

 

YouTubeで「A10TION」もう1回聴いてこよ!(5回目)