おんがくあれこれあらかると

音楽に関する長いつぶやき

ライブレポ sumika 『Little Crown 2020』

半年以上ぶりのライブ

2020年春から予定していた自身最大規模の会場を含む『Daily's Lamp』ツアーの全公演が開催見合わせとなったsumika。 

 

『Dress Farm 2020』をはじめとしてコロナ禍でも精力的に動いてきた彼らが、初のオンラインライブとして『Little Crown 2020』を9/25に開催した。このようなライブ形式は実に半年以上ぶりとなる。

 

私はsumikaが奏でる最新の音楽を聴きたいと思ってこのライブを視聴した。

 

それでは。

 

 

セットリスト

1. Answer

2. フィクション

3. ふっかつのじゅもん

 

4. イコール

5. ファンファーレ

 

6. ゴーストライター

7. エンドロール

8. Summer Vacation

9. 絶叫セレナーデ

10. MAGIC

 

11. 明日晴れるさ

 

Ad. 雨天決行

 

 

ライブレポート

Part1

スポットライトに照らされた大人と子どもの2人のピエロ。

大人ピエロが手に持っていたギターをポロンポロンと弾き始め、円形ステージに 

sumikaメンバーが登場。

 

 

全身のエネルギーを爆発させるように歌い出した1曲目は、「Answer」。

照明が灯り、演奏して音が鳴って初めて、ブラス隊にコーラス隊、ストリングスもいる豪華さに気がついた。

 

 

「フィクション」ではそのゴージャス感が持続する。ブラスとストリングスのイントロが印象的。原曲ではストリングスが強い分、今回のアレンジで曲にメリハリが効いていた。

そしてコーラスが何層にもなっていて綺麗なハーモニーが生まれ、中でもフレンズの三浦太郎(おそらく?)の太い声がエッジになっていて良かった。

演奏中メンバーが跳ねる跳ねる。

 

 

sumikaのロック曲の筆頭である「ふっかつのじゅもん」はお洒落に。

イントロ部分ではブラスとエレキの親和性はこんなにも高いのかという発見があり、間奏部分ではピアノとブラス隊が交互に演奏するという予想外の展開を見せる。

雰囲気に合わせて低くなったエレキのアドリブも雰囲気に良く合う。

ただ変わらず、"ヘイヘイ"の合いの手では全員が手を上げ、この曲の根底にある力強さも感じることができた。

ふっかつのじゅもん

ふっかつのじゅもん

  • provided courtesy of iTunes

 

 

Part2

MCパートに入り、「長い期間やってなかったからそら楽しいわ」と荒井が話し、sumikaメンバーがライブができる喜びを噛みしめる。

そして会場がサーカス(木下大サーカス)になった経緯を話し出した。

コロナが起こったことでツアーが開催見合わせとなり相当落ち込んでいて、その時に、戦争後の焼け野原でポツンとサーカスのテントが張ってあった写真が目に入った。

そしてこういうことがやりたいと思ったそうである。

 

 

そして始まったのが「イコール」。

心臓の鼓動のようなドラムの太い音の深いビートが癖になる1曲。一瞬だけ夏を取り戻したような爽やかさが漂っていた。アウトロのコーラス透明度も半端ない。

 

「ファンファーレ」はエレキではなくアコギで。シンバルとアコギのストロークのカシャカシャがが一見むしゃらに聴こえるけれど、いつもより穏やかな曲調に。

 

 

Part3

暗転しスモークが焚かれ、魔女がランプを置き、会場は幻想的な雰囲気に。

 

 

柔らかいピアノから「ゴーストライター」が始まる。

"暗い海の中照らすような 光になって" というフレーズをはじめとして歌詞が会場のシチュエーションと重なる。

落ちサビの語り掛けるようなピアノとボーカルが染みた。

 

 

「エンドロール」は1音目でいつも泣きそうになる。

ハッピーエンドなのに1フレーズ目にこの歌詞を持ってくる凄さがsumikaだ。

先に披露された曲と同じようにコーラスが入っているけれどこの曲では華やかさではなく、男女の同じ気持ちを描いている感じが伝わってきた。

"愛してる" の後の "Ah" を全員が目をつぶって同じ表情で歌っているのが良かった。

エンドロール

エンドロール

  • provided courtesy of iTunes

 

 

そしてこの日のハイライト、「Summer Vacation」。

Vo. 片岡がフェイクを入れながら、サビのアカペラコーラス入りのアレンジ。"寂しいだけだ" は鳥肌ものだった。

エフェクターをかけたスライドブリッジミュートの吸い込まれに、普段よりはねたベース、コーラスもすべてこの曲のアレンジされた世界観を創り出す。傘を持ったダンサーの妖艶さも。原曲は男性目線で、今回のアレンジは女性目線の音作りに思えた。

何度も言うがアウトロの5連符?6連符?のハイハットのリズムが個人的に好きすぎる。そして自身も演奏しながらコーラス隊にさらっと馴染んでしまうKey. 小川のハモリが凄すぎ。

Summer Vacation

Summer Vacation

  • provided courtesy of iTunes

 

 

次はムードをガラッと変えて男臭い「絶叫セレナーデ」を披露。力強く演奏して熱がこもっていた。

そして自然と体を揺らしてクラップしてしまう「MAGIC」。楽器が増えることで華やかさが倍増しライブよりも演奏会みたいだった。

 

 

Part4

"今夜はどうにかなっちゃいそう" とDr. 荒井の言葉。なぜか荒井が言ったことが私の中で鮮明に記憶されている😶汗だくになってやるのが幸せとsumikaは言う。

 

そんな明日の歌を、と言って弾き始めたのが「明日晴れるさ」。

ギターの音色がエモくて、でもゆったりとした中に明日向かう強さを感じる。

最後の演奏がいつものメンバーsumikaだけっていうのもいい。

 

 

"sumikaでした。ありがとうございました。"

そう言うメンバーの顔は晴れやかだった。

 

 

Addition

[本日の公演はすべて終了しました] のフリップを出した大人ピエロ。それを取り上げてもう1曲だけ、と。

 

"雨が降っていても槍が降っても絶対続けていくから"

そんな熱い決意表明を叫び「雨天決行」を。

力強いビート、Gt. 黒田のたたみかける高鳴るギター、繊細なキーボード、熱いメッセージを伝える歌声が合わさって、これぞsumikaの音楽だった。

 

 

sumikaの挑戦

今回のライブはアレンジが凄かった。一本取られたなあと思った。

そしていつものライブよりも楽器ひとつひとつの音に注目しやすい。

カメラワークも画質も良く、その部分に相当お金をかけてるなあと思った。

 

でも私個人の感想としてはsumikaの音楽はやっぱり生で聴くのが一番だった。

曲を聴いているときに周りの観客と同じ気持ちを分かち合っている感じ、音に包まれる感じ、はその場にいないと味わえなかった。

 

 

でもライブの最後に子どもピエロが読んでいた本にこう書いてあった。

"the story never ends"

 

sumikaの挑戦はまだまだ終わらない。