おんがくあれこれあらかると

音楽に関する長いつぶやき

ライブレポ 家入レオ 『Streaming Live 2020』

「未知のステージ」

オンラインライブ開催が決まった時、私はこう思った。

 

家入レオの音楽は直に触れた時の浸透力がすごい。

そして1人ずつと向き合ってくれる。

それがオンラインとなったらどうなるのか、そういった意味で今回のステージに関しては未知数だなと思った。

 

音楽業界で新型コロナウイルスによる公演中止が相次ぐ中、家入レオも10月に予定されていたツアー『Live House Tour 2020』を中止とした。

8/30に行われた『Streaming Live 2020』 はその代替といえるライブで、彼女自身初の試みとなった。

 

 

普段のライブの良さを知っているからこそ購入を迷った。

でもやっぱり歌声を聴きたくてこのライブを観ることにした。

 

そんな葛藤を抱えて観たライブのレポ。

 

 

セットリスト
2. Shine
3. 未完成
4. Silly
5. 僕たちの未来
 
6. あおぞら
7. ずっと、ふたりで
8. 恍惚
9. Overflow
 
10. Answer
11. Party Girl
12. サブリナ
13. Hello To The World

 

 

ライブレポート

Part1

非公表だったライブの会場がまず映し出される。"新木場STUDIO COAST"

バックヤードから映像が始まり、家入レオ目線でスタンバイの雰囲気を感じる。

 

そして客席からのカメラに切り替わり、ライブがスタート。

 

1曲目は代表曲「君がくれた夏」。いつも通りうなずきながら画面越しで見ている人に届けるように歌う。原曲では激しく感情を出すようなCメロはしっとりと。

続けてライブの定番曲「Shine」を披露。

 

 

スタンドマイクに切り替え「未完成」を。Aメロではキーボードが哀愁を漂わせた音を出す。

サビ前の歪んだ表情と対比するCメロの落ち着き。

音源は全体的に淡々と歌っているが、このライブでは曲の主人公の感情の乱れ具合が凄まじく、とても引き付けられた。

未完成

未完成

  • provided courtesy of iTunes

 

 

「Silly」はラストのサビの "逃れられない" のフレーズが印象的。

張り詰めた空気から一転して笑顔で歌い出したのは「僕たちの未来」。サビの開放感が凄く、特に大サビ前のブレイクでは1音ごとに体内からエネルギーが溢れ出していた。

 

 

Part2

MCでは「カメラの向こうにいると思うとより歌を届けたい」と語り、いつも以上に観客に寄り添いながらライブをしたいという気持ちが伝わってきた。

 

場所を移動して、屋上?外?にあるプールサイドへ。

 

 

今回のライブではリクエスト企画が行われ、投票で上位の曲を披露すると予告があった。リクエスト曲と共に送られてきたエピソードを紹介し、ここからピアノとの2編成に。

 

最初は、照明スタッフからの温かいメッセージも寄せられた「あおぞら」。そのメッセージ通りまっすぐな瞳で、穏やかな表情で歌う。

 

 

「ずっと、ふたりで」はまず入りのピアノの美しいメロディに心を掴まれる。

そこに虫の声も加わり素敵なアンサンブルになっていた。

穏やかな前半と比べて2サビから急に歌声が力強くなって、一緒に歩んでいこうとする決意を綴ったような歌詞が声に色濃く反映される。

 

Cメロはもう圧巻の一言で、こんなにクリアに高い声で歌い上げる人はいないなぁと改めて思った。

ずっと、ふたりで

ずっと、ふたりで

  • provided courtesy of iTunes

 

 

颯爽と元のステージに戻る家入。その途中から演奏が始まる。

エフェクターをかけたベースをバンドメンバーがかき鳴らし始まったのが「恍惚」。これがリクエスト曲の第1位であった。

激しいドラムのビート、深みのあるギターに圧倒される。

髪をかき上げたりする彼女のしぐさすべてが曲の世界観を引き出していた。ただひたすらに艶やかで格好いい。

恍惚

恍惚

  • provided courtesy of iTunes

 

 

リクエスト曲を立て続けに披露し、そのままの流れでKing Gnuの常田が楽曲提供し、セルフカバーもした「Overflow」を歌う。

ベースのスラップとギターのカッティングがこの楽曲を支えている。

今回はアレンジが各所に盛り込まれていた。

 

 

Part3

「ここからはライブハウスっぽいセトリで」とライブで盛り上がる、激しめの曲をセレクトしていく。

 

「自分に1人ぼっちになる勇気をあげたい。」

「Answer」はそう話してから始まる。

原曲は打ち込みで進められているため、バンドで演奏することによって生まれるグルーヴ感がとても良い。

ピアノとベースが軸となっているのも面白かった。

Answer

Answer

  • provided courtesy of iTunes

 

そしてイントロで高揚感を煽る「Party Girl」、会場を縦横無尽に駆け回りながら「サブリナ」と次々に歌い上げていく。

熱量が半端なく、声と音とのぶつかり合いが見られた。

 

 

勢いは全く衰えず、ラストはゴリゴリにロックな「Hello To The World」。

家入レオもバンドメンバーも汗だくになりながら音楽をぶつけてくる。

まるで自分もその場にいるかのような感覚を覚えた。

 

 

最後の最後でたたみかけるような、急ピッチで目まぐるしい展開を見せ、さらっと挨拶をして、ライブが終了した。
 
 

家入レオの変わらぬ姿勢

『Streaming Live 2020』

最初は音と映像のずれがあり、少し残念な気分になっていた。
でもライブが進むにつれて、気にならなくなった。
 
まっすぐな姿勢で純粋に"音楽"を届けてくれたからかもしれない。
 
その画面の中には、歌で寄り添ってくれたり、力強く背中を押したり、いつものライブで見る家入レオがいた。
 
 
エネルギッシュな楽曲を揃えたセトリだったので、浸透、という感じではなかった。
これがバラードメインのライブだったらまた印象が違ったのかも。
 
 
兎にも角にも、このライブを見て聴けてよかった。