ライブレポ TOKYO M.A.P.S 2018
GW恒例の野外フリーライブ
TOKYO M.A.P.Sは毎年GWの2日間に六本木ヒルズアリーナで開催されているフリーライブである。プログラム・オーガナイザーがアーティストラインナップを決めるのが特徴となっている。
私は5/5に観に行った。2018年のオーガナイザーはいきものがかりの水野良樹。
ラインナップが今じゃ考えられないほど豪華だった。
5日はOfficial髭男dism、あいみょん、6日はKing Gnu。
後に爆発的にブレイクして、この時代を象徴する人となったアーティストばかりだ。
彼らのライブをフリーで、しかも私は朝からずっといたので幸運にも前から2列目で見ることができた。ワンマンのチケットがこぞってSOLDOUTの今日ではありえない。
そんな5日のライブレポ。気になった人をピックアップする。
なおセットリストはこちらから引用した。
ビッケブランカ
名前はインパクトがあってなんとなく知っていたが、顔も音楽も全く知らなかった。
今では「まっしろ」がドラマ主題歌になったり、「Ca Va?」で話題を集めているビッケブランカ。
いざ出てきたとき、本人の不思議なオーラというか雰囲気を感じた。
1曲目は力強いドラムのビートから始まる「Moon Ride」。このまま明るさ全開で行くのかと思いきや、短調の「Broken」が2曲目に。リズム感のある曲ではあるが一転してミステリアスな雰囲気になった。きっとこの感じが"ジャンルレス"と言われるゆえんなんだろう。
曲数を重ねていくうちに、観客がビッケブランカの音楽に飲み込まれていった。
そして M5「ウララ」のとんでもない多幸感。彼の音楽を初めて聴いた人たちにもしっかり届いたようで、サビでは会場一体となって手を振っていた。
ビッケブランカの曲は全体的にピアノが基調だった。キーボードではなく、ピアノ。
このようなタイプって少ない気がする。
また、地となる声は低いのに、転換して安定したファルセットを出せるのには驚いた。けれどそのファルセットは綺麗な高音というわけもなく、どこか低さの残る歌声。
どのアーティストとも被らない唯一無二の個性で、新しい音楽を創り出している。
それが印象的だった。
セットリスト
- Moon Ride
- Broken
- Slave of Love
- ファビュラス
- ウララ
松室政哉
彼に関して私は全く情報をもっていなかった。第一印象は"好青年"。
が、声を聴いて一発でその温かい歌声と関西人らしい話しぶりに引き込まれた。
1曲目は「オレンジ」。彼の最初のシングルで、その1曲目に収録されている。
主人公が恋人といつも過ごしていたカフェでの別れ話のシーンが表現されている。
純粋なバラードのあとはメジャー1st EP表題曲の「毎秒、君に恋してる」。
片思いしている一瞬一瞬のときめきをポップに歌っていたのが思い出される。
松室政哉はバラードを書くのがとても上手い。詞がすっと体の中に入ってきて、情景が浮かび上がってくる。だから感情移入してしまう。
このライブきっかけで、アルバムも買ったし、ワンマンにも足を運んだ。
セットリスト
- オレンジ
- 毎秒、君に恋してる
- Jungle Pop
- 衝動のファンファーレ
- きっと愛は不公平
NakamuraEmi
本編の前に1曲カバーを歌っていた気がするんだけど、思い出せない。
観客をすごく気にかけてくれて、最初出てきたとき積極的にトークをして場を和らげていた。そんなハートフルな一面が第一印象だったNakamura Emi。
バンドはアコースティックギターとドラムというシンプルな構成。
1曲目は自然と横揺れが起こる「Don't」。自分の曲を初めて聴く人が多い中で、アニメの主題歌となった新曲を1発目からやるという度胸が凄い。
M2は「大人の言うことを聞け」。メッセージ性が強い曲。生歌は迫力が違った。
サビの歌詞にこんな部分がある。
光っていたら信じて
腐っていたら反面教師
"大人に言われたことをうのみにするのではなく、しっかり見て善悪の判断をつけよう"
こういうことを教えてくれる人について行きたいと思った。
Nakamura Emiの曲リズムは肩の力を抜かせてくれる脱力系。でもパワフルな歌声。そして心に刺さる歌詞。聴いているだけで元気が出る。明日頑張ろうと思えた。
セットリスト
- Don't
- 大人の言うことを聞け
- かかってこいよ
- 新聞
- YAMABIKO
Official髭男dism
今となっては誰もが知る存在となったOfficial髭男dism。まだ「Pretender」が生まれる前のこと。私も2, 3曲ぐらいしか知らなかった。
初のドラマ主題歌となった、「ノーダウト」からブラックさ溢れる「Tell Me Baby」、バラード調の「コーヒーとシロップ」と次々と披露されていき、Vo.藤原聡の圧倒的な歌声とバンドが奏でるグルーヴ感に酔いしれた。
とりわけ目を引いたのがM4の「異端なスター」だった。 ギター、ベース、ドラムに加えてVo.藤原の歌声が楽器となって演奏しているように感じた。
そして、間奏と大サビのロングトーンは圧巻だった。
残念なことにこの時が私が見た髭男の最初で最後のライブとなってしまっている。
今どのような姿になっているのか見てみたいところだ、簡単にはできないと思うが…
セットリスト
- ノーダウト
- Tell Me Baby
- コーヒーとシロップ
- 異端なスター
- 犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!
- SWEET TWEET
あいみょん
類稀な音楽センスですでに音楽シーンをざわつかせていたあいみょん。もちろん「マリーゴールド」が発売される前だ。周りには彼女目当てで訪れたような人も多かった。
トリを迎えるフロアは超満員だった。
バンドの構成はあいみょんが弾くアコギと、ドラムのみ。
アコギの激しいストロークから始まる「憧れてきたんだ」、刺激の強いリリックが印象的な「生きていたんだよな」で幕開け。
M5は「満月の夜なら」。私はこの曲聴きたさにこのイベントに向かったので、感無量だった。空が暮れゆくなか、少しだけ月がのぞき、雰囲気と照明と歌声が相まっていいムード。野外だからこそ味わうことができた。
「ジェニファー」をはさみ、最後は「君はロックを聴かない」を大合唱(してた気がする?)して本編が終了した。その後、オーガナイザーの水野良樹とコラボで1曲歌って大団円となった。
1人で歌ったときの凛々しさそして、コラボで緊張する可愛さどっちも見ることができた。
セットリスト
- 憧れてきたんだ
- 生きていたんだよな
- 愛を伝えたいだとか
- ふたりの世界
- 満月の夜なら
- ジェニファー
- 君はロックを聴かない
- (En.) 翳りゆく部屋 (水野良樹コラボ)
新しい出会いをくれるイベント
フェスと同じように、空き時間にお目当て以外のアーティストを見て、本来だったら聴くことのなかったかもしれない曲に出会える。
さらに六本木の首都圏からのアクセスの良さに加えて、観覧フリーという好条件。
GWあたりの過ごしやすい気候なのもあって、外で音楽を聴くのに最適な季節。
沢山の要素がこのイベントには詰まっていた。
ラインナップでいうと過去にもビックネームのアーティストやブレイク寸前のアーティストが多数出演している。だがやはりこの年は異常だ。
水野良樹の耳はすごい。(語彙力)
さあ来年はどんな歌に出会えるだろうか?